ドナドナ

1999年05月04日

なんと!!

本日、我が家に養子が来ました。錆びクロームの物語が 唐突に始まりました。

妻の知人「N津さん」の友人「I原さん」から、わたしは「KAWASAKI 650RS」を、譲ってもらったのです。この車体には一見してすぐわかるような欠品が、いくつも見受けられました。ですが、その部品は、別の場所に保管されているということです。もちろんこの車体には書類もきちんと残っているそうです。

N津さん・I井さん・I原さんと奥様! 本当にお世話になりました。感謝感謝〜。

わたしのトランスポータ『ハイエース/VAN 通称TB2号』に、ドナドナと揺られて、我が家にW3がやってきましたが、ああ、ほんとに再生できるのかなあ。

さて、この車体のシリアルナンバーを確認してみましょう

  • フレーム W3F 042*8
  • エンジン W1E 7*454

『650RS』は、全部で4,330台が生産され、そして生産完了年度である1974年には、1,599台出荷されました。(蔦森樹著「W1ファイル」より転載 著者承諾済)

その番号から、どうやらこいつは、後期型のほとんど最終ロットのものと推察できます。つまり、通称『W3-A』と呼ばれる、ダブワンの末裔です。ん? 1974年式ということは、妻と同い年だよ〜。

そうですか、そうですか〜。ぷぷぷぷ。

ちなみに、かの角川映画「彼のオートバイ、彼女の島」のなかで、物語をおおいに盛り上げているオートバイは、この形式だったりするのです・・・・・。

今日は、5月だというのに寒い雨の日でした。お昼すぎぐらいにはもう、W3-Aはハイエースのなかに積み込んでいましたが、ついつい「I原さん」たちと話しこんでしまいましたんで、わたしが家に戻ったころには、夕方6時くらいになっていました。

薄暗い中で、車から降ろしてみました。今日のところは、全体を水だけで洗車するだけにとどめました。そのついでに3回だけと決めて、おそるおそるキックを試みました。キックが下りないかも とか 圧縮がないかも・・・ そんな不安要素を抱えたままだと、今夜眠れないかも知れませんから。

「クッシューッツ」

ちゃんとスターター・ペダルは動きました。圧縮も感じますし、吸気音は聞き覚えがあるものです。こいつは絶対生き返るという確信のなかで、妻にこのオートバイのことを どのように説明しようかと考えていました。

今朝、わたしが妻子を置いて家を出るときには、

  • N津さんの友達のI原さんが、ひさしぶりに遠方から この街に帰ってくる
  • I井さん宅の納屋を取り壊すにあたって、そこに格納しているI原さん所有の不動ダブワン2台の移動を手伝う
  • もしかしたら、なにかパーツを売ってもらって帰ってくるかもしれない

たったこれだけのことしか、伝えていなかったのです。

まさかまさか、いくら不動車とはいえ、書類付のW3をタダで貰って帰ってくるなんて・・・・いやいったいどう説明しようか〜。

1999年05月05日

さて、わたしは昨日に続いて、車体から取り外されたままのパーツを保管してあるという、別の納屋に出向いてみましたが、その場所でわたしは、ほっと一安心しました。W3本来のノーマルパーツのほとんどが、納屋のなかでホコリを被っていましたから。

そして、なぜか新品のW1SAマフラー(包み紙もそのまま)とか新品サイドカバーをはじめとする、もはやメーカー欠品となった絶版パーツの何点かが やはりきちんと整理された状態で置いてありました。当然のことですが、そういった新品パーツはI原さんの所有物なので、わたしが使うわけにはいきません。かつてW3に純正品として装着されていて、交換されたモノらしいと推定できる「やや朽ちたノーマルパーツ」だけを使って、レストアを進めることにします。

Z1と形状が共通なことでも有名な砲弾メーターは、16,000kmを表示していました。どういう趣向なのか、このW3にはスモールメーターが装着されていて、そちらは約6,000kmという状態でした。合計しても 2万と2千キロ強! ということは、エンジンのアタリがついてきて、さあこれから!! というところで、小休止となった車体かもしれないと、自分に都合の良い想像がまるで妄想のように広がっていきます。

こんなお宝が、農機具を入れた納屋に眠っていたということです。たまたま扉が開いているときに通りかかった「ポンコツバイク買います」業者による、『よろしかったら高く引き取りますが』 という申し入れが何度もあったそうです。

ある晴れた昼下がり 市場へ続く道
荷馬車が ごとごと 子牛を乗せていく
可愛い子牛 売られて行くよ〜
悲しそうな瞳で 見ているよ〜

どなどなど〜など〜な〜 子牛を乗せて
どなどなど〜など〜な〜 荷馬車は走る


ドナドナ / American Folk

バイクを売却する際、車に積みこまれて運び去られる有様のことを、初めて「ドナドナ」と呼んだ人って いったい誰なんだろうなあ。

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