−第1章2節 ドッペルゲンガー−

Jan 20,2000
修正: May 20,2006

人間には 自分と同じ存在が、自分を含めて三人存在していると言われていたり、あるいは、自分が自分と同じものに出会うとき、その身には災厄がふりかかるということが伝えられている。

こういった現象を、ドッペルゲンガーと呼ぶらしい。

あるときから、 Deeeeeeeeep!のA原田さんとわたしとの間で お互いのことを「あなたはわたしのドッペルゲンガー」というギャグが産まれた。

まだ一度もお会いしたこともないのに「チーム ドッペル&ゲンゲル」プロジェクトを発足ましょうという気配が濃厚となっていた。(具体的なプロジェクトの内容については、現時点では明言を避けておきます。)

ON ANY WEDNESDAY

その日、わたしは 西中島南方にいた。

薄暮れが迫る街の雑踏をぼんやりと眺めながら、ハイライトに火をつけた。こんな時間に一日が終わろうとしているのは本当にひさしぶりのことだ。

わたしの隣にいた女子高校生もタバコに火をつけた。たぶん待ち合わせなんだろう。彼女の待ち合わせの相手がやって来たようだ・・・笑顔のふたりが人ごみに消えて行った。

雨が降り始めた。そして雨とともに今日のわたしの待ち人「つねさん」が現われ、程なく「しらやまさん」と「ジローさん」もやってきた。

われわれは今日のサミット会場「一番どり」に向かった。会場では「A原田さん」が待っていた。

夢のような時間の始まりだった。

はじめましての挨拶もほどほどに、「さあさあ、リラックスして、ガーッといきましょ。」

しらやまさんにおまかせの肴を前にして、ビール大瓶10本くらいをやっつけたころに「やまわきさん」が登場。そして男達は、お店のおすすめの冷や酒に切り替えた。

乾杯したとき、やまわきさんのグラスには烏龍茶が注がれてあったが、間もなくそれは酎ハイに替わったようだ。

お互いに交流のある「Deeeep」「大阪マッハ」「やまわきさんち」「進行性」の4サイトのオフともなると、実に盛りあがりも早い。

さらにそれからFIATサイトの「しのさん」がやって来て、われわれの輪に入った。もしもエンスージアスト測定器が存在するなら、メーター振れっぱなしの焼きつき寸前状態となった。5サイトのオフである。

トイレから戻ったわたしを、ジローさんが「隣に座れ。呑むぞ。」と誘った。

杯を重ねるうち、ふとどういうわけかマッサージをしてもらえるということになった。肩や首をマッサージするというものではなく頭皮のマッサージだった。

「アイリーさん。もっとリラックスしいやあ。」と言われる程、わたしの頭はそうとう痛んでいるらしかった。頭を癒されながら、「さっすが元ショッカー」とわたしは唸った。

おそらくわたしは、改造人間手術を施されたのだろう、ここ2週間悩まされた偏頭痛も目のかすみもすっかり無くなっていた。そのかわりに猛烈な酔いがわたしを襲った。

不完全な良心回路を埋め込まれたのかも知れない。キカイダーと仮面ライダーがごちゃ混ぜだが、もはや酔っていたら関係ない。

それからの記憶がほとんど残っていない。

わたしは酩酊状態で、父の遺言「うちの家系は日本酒は弱い!」というのを思い出しつつ、うま酒の海に沈んで行った。

ペペロンチーノ音頭を唄った気がする。やまわきさんが頭皮マッサージされているのを見たような気がする。A原田さんさんと「ルジャーン」ネタで盛りあがったり、「チームドッペル&ゲンゲル」プロジェクトについて内容確認をしたような記憶がある。つねさんと「誰がなんと言おうとわしらはW1S-A最高」と叫びあったような気もする。

わたしが乗る最終の新幹線の時刻が迫ってきた。

雨は止んでいた。やまわきさんをお店の前で見送り、一番どりのマスターに見送られたわたしは、しらやまさんの引率で新大阪駅に向かった。

改札口で、今日のお礼と無礼を詫び、再会を誓ってしらやまさんと別れた。

新幹線の改札。

「今日のひかりは終わったよ〜。」

回数券ではのぞみには乗れない。わたしが見て、何度も確認した時刻表のダイヤ。あれはなんだったんだろう。

今日のうちに帰宅するのは、あきらめることにして、さっきまでしらやまさんといたところに戻ったとき、わたしの姿がそこに見えたような気がした。そいつは にやりと笑ってすれ違っていった。

新大阪駅の構内にあるカプセルホテルで夜をやり過ごした。

あたかも新幹線通勤の方のように、黄色い太陽の光を浴びながら、いつものように会社に到着した。午前9時の少し前だった。

宿酔いと、妻の機嫌が直るのには、それからさらに1日を要した。


「ドッペル&ゲンゲル」プロジェクトには、エルシノアが大きく関係するのであった・・・・

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