ある日突然、わたしは気が付きました。
タ・・タコが踊っているじゃねえか〜
約3万円の費用が必要になることでも有名なユーザー車検そのものについては、もはや悩むことも、苦労することもなくて、あっさりと済ませてきました。ですが、ウチのババシャツ号のバッテリは弱ったままなので、その始動時には、W1よりもややこしい儀式が、必要になっておりました。
つまり、このバッテリでは、セルフ・スターターを駆動するだけの力が残っていません。そうなりますと、一般には押しがけをしてエンジンを始動させるのが、CDI点火車の場合では普通なのでしょうが、なんとEJには、キックスターターが付いています。さっそく利用してみたいと思いました。
踏んだときに、ニュルニュルルとした感触を足の裏に伝えるこのペダルですが、メインスイッチをONにしてから踏みおろすと、それまで点灯していなかったヘッドライトのスイッチが入るようです。そうなりますとハゲロンランプのほうに電流を取られてしまうせいなのか、2度3度とキックを繰り返してみたところで、冷間時ではエンジンに火が入りませんでした。じつに不思議なオートバイです。
そこで、一発目のキックで始動をしくじったときには、再起動っていうかメインスイッチをオフにしてオンにしてやってから、次のキックをすると、エンジンが動き始めるということが、だんだんと解ってきました。やがて、メインスイッチでのリブートが面倒臭いなあと考えるようになったとき、ふとセルフスタータのボタンをクリックすると、カリカリってな小さい音が聞こえ、同時にヘッドライトが消灯されることを知りました。こうなったらシメたもんです。しばらくはこの状態で我慢することにしました。ですが、良い子の皆さんは、きちんとバッテリを交換するべきです。決して真似をしてはいけません。
そういえば、EJのカービュレタには、冷間時の始動性を向上させるために、電熱ヒーターが取り付けられているというようなことが、サーヴィス・マニュアルには記載されていたような気がします。たぶんその理由で、ヘッドランプが灯っているとエンジンに火が入りにくいのでしょうね・・・・と推察しましたが、改めてマニュアルを読んだわけでもないので、間違っている可能性もあります。だったら記事にしなけりゃ良いのでしょうが、世間の注意を喚起するためには、止むを得ません(意味不明)。
とにかくバッテリが復活するまで、こうやって凌ぐ日々を繰り返すつもりでした。
その日も、そうするのが当然とばかり、いつものようにエンジンを始動させ、5分程暖気しました。晴れの日専用の通勤ゲッター「ババシャツ号」で、わたしは職場に向かっていました。
そのときです。
また片肺になったかなという、トルクの希薄感を覚えました。エキゾーストノートも歯切れが良くなってました。やっぱりそうです。このEJの場合、こういうときにはクラッチを切断して回転を上げてやると、あっさり元通りのツインになることも、これまでの経験で知っていましたから、それを実行してみました。
ただ、いつもと違っていたのは・・・・・
計器類に目をやると、スピードメータは、120キロ〜160キロの間を揺らめいていました。タコメータは、0rpmとレッドゾーンを断続的に往復していました。
わたしは、かつて俺のオートバイW1S-Aで、同じことを経験していましたので、「おお おまえもやっぱりダブルか〜。かのウルトラマンレオアストラのように・・・・・・・」
一瞬そんなことが脳裏をよぎりました。が、液晶のトリップメータがブリンクしているのを見たとき、その興奮が、しおしおと消滅していくのを感じました。
その夜、わたしはバッテリを買い求めてきました。とっとと液を満たして即充電することで、翌朝には早起きすれば交換できるなあと、気軽に考えていました。が、しか〜し。わたしにとって、MFバッテリを交換するのは、初めてのことだったのです。梱包を開いてすぐに、わたしは自分の無知を嘆きました。
どうも、電解液の注入には、しばらくの時間が必要となるようで、このクソ寒いのに、注入完了を待つことなんて出来るか〜と、その作業を夜のうちに準備してしまうことを、諦めることにしました。
ようやくバッテリを積み替えることが出来たのは、その週末の日曜でした。あのクソめんどくさい作業を、気乗りしないまま開始してみました。
このときには、ついでということで、二つのバッテリの端子間電圧を計測してみましたが、やっぱり古いほうは、死後数日が経過していることが確認されましたとさ。
再び10個のネジを締め終えたわたしは、久しぶりに力強いモーターの駆動音を聞くことができました。そしてバッテリ代金壱万円を支払った甲斐あって、難なくエンジンは動き始めたのですが、メンテナンスフリーバッテリーって、ここまでも寿命が短いもんなんですか〜?
俺のW1S-Aに積んでいるやつは、5年くらい使えていますし、シルクロードのヤツも7年間一度も交換してませんけど、消耗早すぎですよね・・・・・・・。
♪ケイタイデンワのバッテリー切れてたなんて〜
タコメーターどころか、スピードメーターまで一緒になって踊っているのを見た瞬間、筆者は背筋が凍りついたという。あたかも松本零士「戦場シリーズ」での撃墜墜落シーンと錯覚したらしい。そして、この恐怖と地上に居る安堵感を述懐するためのネタを書こうとしたものの、その筆力不足のために、いざ作文しようとすると、うまく書けない日々が、3週間に亘って続いたという。そして、うまく表現できそうにないことが判ると、いつもの通りのクドイ文体でお茶を濁している。
けだし、ネタにも賞味期限があり、放置するなら腐っていくという好例となった。