清掃 車体関係の掃除

フレーム 旧塗装剥離

しばらくの間、誰のオートバイ号のために費やす時間を、わざと減らしてみた。

その理由はいくつかあったが、それを書き連ねるわけにもいかない。強いて差し障りのないところをひとつ述べるとするなら、おれがW1イジリに飽きてきたのかも知れない ということを挙げておこう。前作:W3-A改(ヘン)を経験したおれにとって、エンジン腰下フルオーバーホールとミッションフルオーバーホール以外の作業すべてが、もはや好奇心を打ち振るわせるものではない、ということに気付いたとき、なんだか気持ちが醒めてしまった。

しかし、眼前にはバラバラになったW1S-Aがあった。

苦しかった。

これが、ジブンの所有物ではないだけに、その感情はよりいっそう大きかった。

そしておれはバラバラW1S-Aを視界から遠ざけようとしたが、部品紛失を恐れるあまり、それさえも行動に移すことはできなかった。ただ物理的な時間を誰の号に向けないようにするのが精一杯の逃避行動だった。

それから、サイト用に誰の号テキストを作るという行為さえも、苦痛になっていた。おれ自身が、自分のする一連の作業にワクワクしない中で書く作文をwebで発表することすら、「痛い」のである。

1990年頃の歌謡曲で、こんなリリックの曲があった。

いくつも恋して 順序も憶えて キッスも上手くなったけど

初めて電話するときには いつも震える

あたかも恋をしているときのごとく、レストレーションを継続するにあたって重要な「エンスージャズム」を取り戻すために、おれがするべきことが何なのか、このしばらくの間、手探りで模索していた。その仮説を試す準備を、水面下で進めてきた。

それでは実行してみよう。

まずイチバンにやらないといけないのは、以下に続く「宣言」である。

  • おれは、いつもの自分のスタイルでこのコラムを書くことにしたい
  • 文体を「だ・である」統一・第1人称「おれ」型を、今後ヤメにしたい

こうすると、ぐっとネタを書きやすくなる♪

ああ いまわたしを動かすのはダイヤモンド〜♪

さあそれでは参りましょう。フレーム大掃除の巻です。

申し訳ないことなんですが、車輪やら保安部品やらをバラしている光景を撮影するのをすっかり忘れていました。いや忘れていたというよりも正確には、W1系独特の構造として特筆することのない箇所ばかりを記事にしてもしょうがないよ〜という気持ちが強くて、あえて写さなかったというのが真相です。

エンジンや車輪をはじめとする各種の部品を取り外されたフレームは、まったく惨めな物体に過ぎませんでした。油泥や傷、劣化した塗装、そしてその隙間から沁み込んだ水分が為した錆が、そのみすぼらしさを醸し出しています。

今回この誰の号フレームの仕上げをどのようにするのかは、後に決定することにしまして、まずは古い塗装をリセットしましょう。前言は周囲に対して撤回できるかもしれませんが、それがもたらす禍根はリセットできません。ここはきっちりと表面を仕上げていきましょう。(段々調子が出てきたぞー!)

かねてからコレを使うと、作業がやりやすいのではないかと思っていました。ただ、わざわざそのために新品を調達するのもどうかということで、青カビ赤カビサルマタケやらが繁殖していようが多少イカ臭かろうが一向に構わないので、ちょうど良い物件はないものかなあ・・・・・と唸っていたころに、偶然Kammyさんから放出しまっせというおはなしがありました。これ幸いと、それを頂戴してブツをチェックしたところ、普段ウチでメインに使っているものより1ランク上のものでしたし、コンディションもウチのよりも良好でした。

あの劣悪なる作業にコレを使うのはもったいなさすぎます。わたしは引続き、つぎのチャンスを待つことにしました。

ある日うろうろしていました。それでフリーマーケットが催されているところに通りがかりましたところ、なんと前述した目的にちょうど良さそうなものが500円で売られていました。さっそく買い求めた数日後の休日に、わたしは次なる段取りに移ったのです。

「しんえもんさ〜ん こんにちわ〜。コンプレッサー使わせて〜♪」

そうです。フレームの旧塗装剥離は、プロフェッショナルの常道「サンドブラスト」でキメたいと、最初から考えていたのです。

まあ一連の画像をご覧くださったなら、何をどうしたかったということについておよそ想像がつくこととは思います。ですが、こうしたことをくどくど書くのが好きなので、わたしは続けます。

たしか10kgを1,000円くらいで買ったガーネットサンドを、今回も使ったのですが、やはりこれはなかなかの威力がありました。ただ、ブラストガンのメンテナンスが悪いのと口金部の劣化のせいかと思われる目詰まりが、時折起こりました。そのためしばしば作業は中断されてしまうことにもなりましたけど・・・。

これまで経験したサンドブラスト作業は、エンジン関連の軽合金鋳物など比較的小さな部品を箱のなかでブラスト処理する程度の規模でしたが、フレームを処理するとなると、それが収まる箱を用意することもなかなか難儀ですし、また屋外で吹きっぱなしにするというのも、よそのお宅の庭先を借りてすることではありませんので、この500円ロッジ型8人用テントが作る空間というのは、まったくこの作業には適していました。

空間の容積が大きいので、連続動作しても砂埃で視界が遮られにくいというメリットもありますが、なんといっても 使用したメディアの回収が簡単に出来るのは、非常に便利でした。

普段、自立するテントの室内から砂を排出するときと同じように、テントの床面をたくしこんでいくと、メディアは一気に寄せ集めることができます。回収されたメディアはバケツに戻され、ふたたびブラストガンで勢いよく古い塗装を掻き落としていきます。

ただ・・・・・。わたしは空腹に負けました。

そのために、この日の作業は フレームを半分くらい剥離した程度で終わらせてしまいましたが、その作業中には仮説が正しかったことに感動し、もっと効率を良くするにはどうすればよいかということばかりを考えるようになっていました。

  1. 圧縮空気に混じる水分で、メディアが目詰まりする対策をどうするか
  2. 切削力を更に強くできるメディアは何か
  3. ウオーターセパレータをエア通路にカマしてやると、きっと効率は向上するんだろうなあ・・・・
  4. メディア回収専用のフルイがあると、目詰まりの原因となる小石を摘出できるよなあ・・・・
  5. 園芸用の川砂でブラストしたら良いですよとを、以前につねさんから教えてもらったことがあったよなあ・・・・

このようにいろいろなシミュレーションやアドバイスが 以前のようにアタマのなかで浮かぶようになってきました。ようやく長かった閉塞から抜け出すことができました。自分でも嬉しいです。

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