分解 ミッション

構造概論

(おおきなお世話だ〜)

自転車を漕いだことがあるだろうか

静止した状態から漕ぎはじめる あるいは 連続して登り坂を漕いでいるときのことを想像してほしい。ペダルを踏むための脚力が かなり必要だったはずである。いっぽう、平地を等速で漕いでいるときには さほど脚力は要らなかったはずだ。

変速装置付きの自転車に乗ったことがあるかたにあっては、もっと理解しやすいだろう。漕ぎ始めでは、軽く踏むことができて かつ踏みこんだわりには あまり前には進まないギアを選択するだろうし、じゅうぶん加速した後には 少ない脚力で全身できるギアを選択しているはずだ。

ほとんどの自転車の場合、ペダルと後輪はチェーンで結ばれている。そして変速機つきだった場合、後輪軸あるいは ペダル・クランク軸に取り付けられたギアが複数枚になっているし、チェーンは 「デイレイラ」と呼ばれる器具の作用によって、それらのギアに架け変わっていく  これによって変速 >> ギアの選択 が実行できるようになっている。

ほとんどのオートバイでは、自転車とは構造こそ違うものの、変速装置がやはり準備されていて、エンジンから発生するエネルギーを 駆動輪に伝達する際の最適化をする。

では ダブルの変速装置について。

これまでに 一次減速装置編・エンジン編をご覧いただいたかたにあっては、うすうす気付いていることかも知れないが、ダブルの変速装置はエンジンから完全に独立した場所で動作している。

これを俗に 別体ミッション と呼ぶ。これには W1M***** W2M***** などの刻印がされてあるので、W1MあるいはW2Mと 呼ばれることもある。

W1MとW2Mには詳細部での差異があるが、基本的な構造は同じものである。

ミッションには 複数のギアが仕込まれたシャフトが、2系統存在している。ひとつは メインシャフト 他方は カウンタシャフト。それから、メインシャフトとカウンタシャフトにあるギアの組み合わせを制御する チェンジドラム が存在している。この3つが連携動作して、車速と駆動力とを制御するのである。

メインシャフトは、いわば3段アンテナのような構造になっている。この中心軸にあたる部品が クラッチプッシュロッドである。ひとつ外側の筒の端はクラッチハブと固定され、その他端はキックギアが締め付けられている。また いちばん外の筒の端は ドライブスプロケットが固定されてあるし、他端にはギアが切られているという、入れ子構造である。

メインシャフト上には ドライブスプロケットを除いたら つごう4個のギアが仕込まれているが、その内の2個は、筒上で平行移動できるようになっている。カウンタシャフトでも同様に 4個のギアのうち 2個は平行移動する。

この2つの軸上を移動するギアの位置で、メインシャフトに伝わる回転数が決まるような構造になっているわけだが、このギアの位置は、チェンジドラムに仕込まれた2つの爪の位置で決定される。

チェンジドラムの側面には 2本の溝が掘られてある。溝の形は まるでミミズが這ったような格好になっているが、この溝の中に ピンが差し込まれていて、このピンは 先ほどの爪に仕込まれている。

チェンジドラムが 操作によって回転すると、溝に導かれて爪が移動する。この一連によって 変速がなされることになるのである。

チェンジドラムの軸上には カム状の部品が締め付けられていて、これとニュートラルインジケータに結ばれた部品とが接触し導通すると、インジケータが点灯する仕組みになっている。

チェンジドラム軸と締め付けられているカム状の部品の面には、5個の突起物があって、正五角形の頂点位置の関係に配列されている。

突起物の任意の1点と それに隣接する1点の つごう2箇所を挟みこむような形の部品がある。このカニの爪のような部品は チェンジペダルシャフトに連結されてある。

ペダル操作によって、それまで2点を保持していたカニの爪の位置がずれ、どちらか1点を保持したままで、もう一方を弾き飛ばす格好になる。リターンスプリングの影響で カニの爪が元の位置に戻ろうとするとき、もともと保持している突起とさらにその隣の突起物を捕まえる格好になる。

これで チェンジドラムは回転することになる。

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