駆動輪が地面を蹴っとばすから、自動車やらオートバイは走るのだということは常識だろうが、どんなメカを介して、エンジンから発生するエネルギーを車輪の駆動に変換しているのか、ということについて、おれも最近までよく分かっていなかった。
正確に表現するならば「本で読んだことはあったが 自分の目と手で確認したことは無かった」
ダブワンの場合だと、エンジンW1Eのクランク軸の左側にギアが設けられていて、このギアにはダブル・チェーンが架かっている。
そのチェーンは、クラッチのハウジングに刻まれたギアに、エンジンの動力を伝える
クランク軸のギアと、クラッチハウジングとギア比は、23:53となっているらしい(SM-3より転記)。めんどうなので約分はしないが、この比率のことを「一次減速比」と呼ぶ。
クランクケースの左から出されたシャフトは、ゴムで作られたオイルシールで、外部に潤滑油が漏れないように処理されてある。
それから前述のクランク軸ギアとクラッチとダブル・チェーンが収められる場所は、密閉された部屋になっていて、ここ全体を一次ケースと呼ぶ。
さて、エンジンの動力を断続する機構こそが、クラッチである。停止発進時など、エンジンは動作しているが駆動力を必要としない場合に使うことになるメカであるが、案外その構造を知らないものだと思うがどうだろうか。
W1の場合、ダブル・チェーンで駆動されるクラッチ・ハウジングの外周に、ホゾが刻まれてあって、そのホゾに引っかかるような格好で、複数枚のフリクション・プレートが内側に仕込まれる構造になっている。
また、クラッチ・ハブの外周にも、やはりホゾが刻まれてあって、外側に向けて複数のスチール・プレートがハメこまれてある。
このフリクション・プレートとスチール・プレートは 交互に重なるようにセットされ、そして5箇所のボルトで固定されるクラッチハウジング・プレートには、それぞれ1本のスプリングが挟みこまれていて、クラッチ・ハブに締め付けられ固定されてある。
平常時には、フリクション・プレートとクラッチ・プレートは密着することになるし、クラッチレリーズ・プッシャーがレバー操作で外側に押し出されると、クラッチ・ハウジングが保持しているフリクション・プレートと、クラッチ・ハブが保持しているスチール・プレートが離れることになる。
密着しているフリクション・プレートとクラッチ・プレートが離れると、エンジンからの動力は駆動輪から開放されることになる。
ちなみに、一次ケースの内部には、フリクション・プレートやチェーンを潤滑するため、少量のオイルが入れられてある。こういった、オイルが使われていて複数枚のプレートがあるこのクラッチは、湿式多板式と呼ばれる。
「レバー操作がどのようにして、クラッチレリーズ・プッシャーに伝わるのか?!」
「おいおい。車輪を駆動するのにあたって変速装置はどうなっているんだ?!」
このあたりについてのツッコミがあるとは思う。
がしかし、このあたりについてはミッション編のほうでお伝えしたほうが、ストーリー展開のうえで楽なのである。
少々お待ちいただきたいところなのである