おれが初めてオートバイをバラしたのは、高校生のときだった。ヤマハのミニトレ、GT50だった。おっかなびっくりの分解だったから、メモを取ったり絵を描いたりしながら作業したものだ。
ただ、おれの書く字は、象形文字だったもので、あとでジブンが解読する作業がよぶんに発生した。そのせいで判読不明に陥ることしばしばで、ずいぶんヘコんだことがあったように記憶している。気分は「吉村作治教授」になるのだ・・・・。(ヒトのネタ)
だからといって、写真を撮影することはなかった。高校生の小遣いでは、DPE代など到底捻出できなかったから。
おれが拙サイト進行性W病を始めたころ、我が家には、デジタルカメラなんぞは存在していなかった。銀塩カメラ(たしか使い捨てだった)で撮影したものをスキャンした画像を加工して続けるウエブサイトなんか、めんどくさくてやってられるか〜! と独りツッコミをしていたころ、職場になぜか150万画素デジカメが導入された。
汚さないから、壊さないから、週末だけ使わせてくれと申し入れた。
そのときから、作業をした直後に、即時アップなんていう芸当もこなすことができるようになった。拙サイトの画像が、一気にデジタルベースになった。文明開化だ。
しかし、W3の作業が進んでいくのにつれ、汚れた手で借り物のデジカメを操作するのには、気が引けた。W3作業は、どうしてもエンジンオイルまみれになる。カメラは、ファインダとレンズ以外の筐体部を、サランラップで包んで使っていたわけだが、やはり借り物をここまで激しく使用するのは問題だと思ったので、当時は性能アップ・価格ダウンの両側面で日進月歩だったデジタルカメラをついに買ってしまった。
細かく詳しい画像ファイルを記録することは、おれ本人の記念となるだけではない。サービスマニュアルには記載してくれてないような部分まで、自分で撮影した画像データが教えてくれることもある。
芸術作品を撮ろうとするわけではないので、ローエンドモデルで十分だった。3万円程度の出費だったが、じゅうぶんモトを採ることができたと思う。
一日の作業で100〜200カットを記録したところで、現像費用が一切不要ってのは、ホントに助かる。
ピンボケのチェックがすぐできるので、あとでがっかりすることも無くなった。
味気ないといえば、たしかにそうなのかも知れないが。
デジタルカメラの味気なさでフト思い出したのが携帯電話だ。
たしかにおれが中学生高校生だったころには、一般には存在していなかったのだが、あれも味気ないというか、若者たちの人格形成には陰を落とす性質があるように思う。
おんなのこを電話口に呼び出すときの、そこの父親と例えばおれとの間で、やや気まずい雰囲気のなか交わされる、ややカミがちの敬語まじりの会話でおれは敬語の使いかたを知り、そしておおきく年の離れた人とのコミュニケーション方法を教わったものだが。いやしかし、あのドキドキ感は今でも懐かしく思い出す。
あー、味気ない味気ない。妙な世の中になっちまったもんだー。
本題に戻す
車両を確認してみよう。欠品破損品不良品を洗い出そう。
簡単に書いてしまったが、これはかなり難儀度の高い作業となる。
「あれ?! これってオリジナルじゃないねぇ(嘲笑)」
なんてヒトから言われても ハラがたたないくらい熟知するか まったくの無知を貫くかという選択になるかと思う。
またあるいは 二度とそんなクチが叩けないように その相手をシメあげるという武闘派的解決方法も可能だろうが、おれはあのときにそいつを殴ることができなかった(遠い目・・・)。そして無知を恥ずかしいものと思った。
ダブワンについて勉強することにしてみたのは、今から10年くらい前のことだった。
まったく勉強してないうちに 他人に質問するのは失礼だし恥ずかしいことだと、おれは思っている。(職場でもそれは言える。「てめぇ マニュアル読んだか?」 しばしば訊ね返すことが、よくある。)
おれの場合は、わからないなりに、SM-3やらパーツリストやらW1ファイルをひとまず読破した。
とにかく、座学がすべてだとは思わないが、特にエンジンについては、何度も何度も繰り返して読んでみた。
いくら考えても、おれには理解できなかった点がいくつもあったのだが、よくわからなくても、おれのW1S-Aはガンガン走ってくれていた。
あの日、おれはW3-Aを貰った。
そのときから、大勢の先輩がたや知人のスキルを、たくさん分けてもらった。
W3がなんとかカタチになったとき、先輩からプレゼントされたスキルを できるだけわかりやすいカタチで WEBに出してみようと決心した。
SM-3とパーツリストは 製本コピーされたものが、手に入る。
W1ファイルは 本屋で注文すれば 定価で購入できる。
昔の別冊MC誌や、昔のモトメンテ誌も 古本屋などで根気良く探せば、買い求めることができるかもしれないが かなり困難かもしれない。
おれのところには、そういった文献がいちおう揃っている。揃っているというわりには、ダブワンのことをやっぱりよくわかっていなかったということは、やたらと手戻りを繰り返したコラム「彼のオートバイ」をご覧いただいているかたには、すでにバレているはずだ。
実際、コラム「彼のオートバイ」シリーズは、読みにくかったと思う。
あれは、おれのイケイケドンドン(死後)試行錯誤の日記だし、レストレーションというよりも 改造するためのインフラを整備しているうちに出来てしまったW3-A改(ヘン)のラーマ・ヤーナでもあった。
誰のオートバイ
ああ なんとエスプリいっぱいの文言なんだろう♪おれとしては、これからダブワンをやろうとしているかたのヘルプになるべく、体系付けがなされたコラムに、この「誰のオートバイ」がなれば良いな、と手前味噌ながら考えている。
みんな悩んで大きくなった♪なのである。
何にどれだけお金をつぎ込むか、なんてことについては、ひとそれぞれの価値観によって決まるものだから、余計なことは書かないことにする。
カワサキでは、ユーザーに部品宅配便サービスをやってくれている。(2001/05現在)
発注金額が、合計一万円を越えると、運賃と代引き手数料は無償になるので、田舎暮らしのおれには、非常に助かる。頼んだことをうっかり忘れてしまうおれには、本当に助かる。
当然 定価販売なのだが。
再メッキ・バフ・ブラストなどを外注に出したい部品を洗い出す。
部品・外注処理の見積りをとる。
数量や風体を、きちんと先方さんにお伝えすることが重要。
予算のカラみで、希望に燃える人、ヘコむ人、借金する人、むやみに残業する人、酒を控える人、タバコを止める人・・・・いろんな状況に弄ばれるようだが、ダブワンの場合、エンジンのクランクとキャブが上手く動くならば、まずは走ることが出来る状態まで持っていっておいて、あとは少しずつ追加作業をすればよいのではないか、と、おれは思っている。
パーツリストには、車載工具のページがある。なにを揃えておくべきなのかは、ここでおおよその予想ができると思う。
ただ、記載されているオプションの車載工具には、現在は手に入らないものもある。そうしたものは代用品で対処することになるが、おれが何を使っているかということも、記事としてとりあげていきたいと考えている。
作業中に工具を買いに行くと、かなりの時間をロスすることになる。ホリデイ・レストアラーにとって、そのロスがもたらすダメージは極めて大きいから、準備そして工夫が重要だと思う。
外見からだけでは、その生死が判断できないものについては、分解前にあらかじめチェックしておきたい。
・ダイナモ・アーマチュアコイルの導通
・イグニッション・コイルの導通
・レギュレータの動作
もしもこのあたりで不具合を発見しても、修理屋さんをジブンで探したり、代用品を流用することで たぶん解決できるはずだが、予算に大きな陰を落とすのはおことわりするまでもない。