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今日も口数が多い

May 13,2010

おいおいキミキミ「完結だ」って言ってたんじゃないのかよ、という向きもあるでしょうが、もう少しだけ書いて残しておきたいことが出てまいりましたので、あと少々お付き合いください。ヨロシク、ヨロツク。

ナンバープレートを再取得して道をバリバリ走ることができるようになってからしばらくたって気付く不都合というものが出てくるものです。

燃費を計測しておこうと思っていたこともあって、燃料コックがリザーブになるまで走り回っていたのです。じゃかじゃか走っていてコックの位置がオンのときにガス欠症状が出たのでさっそくリザーブに切り替えたりしてそのまま走り続けようとしたそのときです。

ボボボボボ

止むに止まれず路肩に停止。すぐ目前にガソリンスタンドがあったのでさほどのダメージも無く事無きを得ましたが、この状態を考えるとどうやらコックに不具合があるように思います。

1980年当時の設計品質基準がそうさせたとしか思えないのですが、燃料コックの切り替えツマミ部分はリベット止め、つまり非分解式になっているんですね。「こんなところを封印するんじゃねえ」などと毒づきつつドリルで揉んで破壊してしまうなら、こんなのはすぐに分解清掃できそうな気はするのですが、今日のところはもう二式ある中古ストック部品を掃除してからテストして、状態の良さそうな一つをタンクにセットすることにしました。わたしにはもうあまり時間が残っていません。

カウンタシャフトの栓にしてもそうだったしロッカーアームシャフトのOリング交換でもそうだったし、それにセルのピニオンギアもそうだったなどと設計基準や品質基準を「欠陥だ」と毒づきながら乗るんだったら、いっその事乗るのをやめりゃいいのに、という向きもあるでしょう。でも・・・でもわたしにとっては、市販量産車に「走る実験室」を投入した本田技研の無謀な心意気に対してのレスポンス、つまり欠陥対策をするのが楽しくて仕方なかったというのも事実です。この「走る実験室」エンジンのフォーマットは、せいぜい5〜6年くらいしか作られなかったはずで、XL250Sから始まってFT500で終わり、以降はRFVCヘッド&貝合せクランクのエンジンに後を譲っています。つまり本田技研にあってはこの実験の結果は決して大成功ではなかったということが言えると思うのです。反面でカスタマイズの施し代が、たっぷり用意されていた、と言い換えることもできます。

キックスタータがあることが嬉しくて、エンジン始動は常にキックで行っていたわたしですが、ある日気まぐれにセルスタータのボタンを押してみました。

始動しませんでした。正確に表現するなら、セルモーターがほとんど回りませんでした。そのときの動作音を文字で表現するなら「ギュルリ・チチチチチ」。 バッテリの力不足かと思いながらブースターケーブルでジムニーのバッテリと連結して再始動を試みましたが症状は変わらず、セルモーターの動作音がわずかに鈍く聞こえたに過ぎませんでした。

接点不良が起きているのかも知れないと、テスターで電装を追いかけることにしました。

結果見えてきたのが、以前もそうだったことがあったマグネットスイッチの不良で、今回もそれを別のものに交換してみることにしました。テストすると、モーターの動作音が明らかに大きくなりました。しかし依然として何かの抵抗があるのか回転は鈍いままです。

ソレノイドも動いているしマグネットスイッチも動いている、ということはピニオンギアに何か不具合があるのかと思ってカバーを開くと違和感が。「あれあれ??ここには確か、古いハガキで作ったガスケットをハメてた筈だけどなあ」手製パッキンが入っていなかったのです。記憶がスリップしてしまっています。弱ったもんです。

ふとした思いつきで、パッキンが無いままでわざと「ホンダ対策部品ワッシャ」を入れないで組み戻してみました。そのワッシャはピニオンギアの戻り量を決めるためにギアの軸受け部分にあるものです。これでスタータボタンを押してみたところ、セルモーターは勢い良く回りピニオンギアがクランクを回すのに飛び込んで行った音がしました。ピニオンギアは直ちに弾き返され目いっぱいの位置まで戻ったらしく、モーターだけビューンと唸り続けました。

「なるほど」わたしは対策部品ワッシャを本来の位置に戻してやって、それから別の古ハガキパッキンをセットして蓋をしました。セルボタンを押すとやはり動きが鈍く、エンジン始動にまでは至りません。面倒だなと思いつつ、ガスケットシートの裁断屑ばかりを集めてある箱から0.5mm厚の小片を取り出してきました。裁ち屑もストックしておけば、このサイズのパッキンなら切り出すこともできようというものです。鉛筆と彫刻刃で戦うこと5分。

新しく製作したパッキンを使ったときの結果はと言うと、上々。 スタータボタンを押すと「ガシュッ・ウィンウィン・バヒュン」ってな具合に、うまく起動できるようになりました。今のところ百発百中です。

シムリングの追加と対策ワッシャの厚み、それからガスケットの厚みのチョイス次第では、臨終寸前のピニオンギアでも延命が可能かも知れないなあ、と思ったりしたものです。何しろガスケットはクランクケースカバーに対して二枚使うわけだから、微調整できる幅が、つまりフトコロが深いというわけです。

シルクロードの荷台には、通りすがりの雑貨屋というか古道具屋でホコリをかぶっていたファイバーケース(店のおばさんは「ボテ箱って言うのよ」と主張していた)を買い叩いたものを乗せてみました。なんとなく穴は開けたくなかったもんで、ザイルで固定します。かっこよく縛りたかったので、しんえもんさんのところに出かけて「トラッカーズ・ヒッチ」を習って来ました。これでバッチリです。チョイ乗りやら買い物やらはこれで十分。かなりの積載能力ができたおかげでパンタグラフジャッキやらタイヤレバーなんぞも常時携行しようかという気になるかも知れません。

交差点を右折しようとして、直進車をやり過ごしているときにどういうわけかエンジンがストップしました。このときギアはスーパーロー、クラッチは切れている状態でした。わたしは再始動しようとスターターボタンを押します。

スカ

大慌てでキックスタータにて再始動。右折を済ませて路肩に停止しました。プライマリキックというバックアップシステムがあるのでさほどのダメージも無く事無きを得たわけですが、セルスターターが動かない現象を見てしまったまま走り続けるのは精神衛生上悪いので、この場にとどまってしばらく原因の考察を開始することにしました。

シフトペダルを二回かき上げて軽く一度踏み、ギアをニュートラル・ポジションにしてからエンジンを停めてセルが動くかどうかまずチェック。先程出先でやったのと同様ですから、きちんと動くのはあたりまえですね。

じゃニュートラルでクラッチを握った状態ではどうでしょう。問題ありません。それならギアをシフトしてクラッチを開放した状態ではいかがでしょう。動きません。そのままクラッチを握ってスタータボタンを押しても動きません。

どこかにセルスターターの動作を制御する仕組みがあるのか、それとも不具合が出たのか判断しかねるので、その場での愚考は止めにして自宅に戻ってサービスマニュアルで解決を図ることにしました。

セルスターター関連の配線図を読むと、どうやら「クラッチスイッチ」なるものが疑わしいことに気づきました。しかしそんなものがどこにあるのか瞬時に判断できなかったわたし。知らないものは知らない!のです。全部バラして組み上げたエンジンにそんなものは付いていなかったのです。

「うー。クラッチワイヤー?」W1S-Aのフロントブレーキ・ワイヤーは途中で二股になっていて、ブレーキランプのスイッチを動作させることをよく知っているわたしは、実車を前にしてまずワイヤーを疑うことにしました。W1S-A乗りにとってこれはじつに自然な行動です。さっそくクラッチワイヤーをエンジン側から目視で追いかけたけれど二股にはなっていません。不思議です。

部屋に戻り、今度はパーツリストに目を向けることにしました。ハンドル周辺のページを開いて絵を見たときに気づきました。「おお、レバーの付け根あたりにスイッチらしきものがあるじゃないか」

どれがそのスイッチなのかようやく分かりましたが、今度は不具合の状況を把握しないといけません。レバーとの接触不良なのか、内部の接点不良なのか、端子の接触不良なのか。クラッチレバーを取り外してスイッチをラジオペンチの先で引き抜きました。テスターで導通を確認してみても特に不具合が無かったので、レバーとのアタリが悪いのかも知れないと思いました。それならば仕方が無いのでシルクロード二号から部品を借りて付け替えてみました。(ホンダから部品が出るか今度調べよう)

この部品交換で、ギアポジションが5速だとしてもクラッチさえ握ればセルが動いてエンジンは始動するようになりました。が・・・何か釈然としないものがわたしの中に残ってしまいました。

二十歳の頃、普通自動車の運転免許を取得しようと通った教習所の学科教習で「万一、踏切で故障してしまったときどうするか」ってのがアタマに浮かんだのです。わたしの記憶では確か「ギアをローにシフトして、クラッチを踏まずにスターターを動かして、踏切から脱出せよ」というものでした。AT免許なんてものがまだ世の中に無かった時代の話です。

オートバイなら降車して押せば踏切から脱出できるけれど、AT車はどうやって脱出するのでしょう、わたしには想像がつきません。ナビゲーションで踏切の無い道を選んで走るのが一番妥当なのかも。ま、どうでもいいことですが。

うーん、どうしようかな。わたしのシルクロードCT250S-R(このRは、Reduce-Reuse-RecycleのR)からは、このクラッチスイッチをキャンセルしちゃおうかな。エンジンがどうしても動かなくなってしまったとき、セルでクランクを回してその場から脱出できるなら、それはそれで良いのかもしれません。ある意味電動オートバイ。つまりエコです(失笑)。

意気揚々とここまでの駄文を一気に綴ったそのときでした、つけっ放しのテレビから「ガス瞬間湯沸かし器の一酸化中毒事件裁判」の報道が流れました。あの事件は、安全装置を解除しても使用できるようにした改造が原因で起きたそうで、その責任の所在が争われているのだといいます。

そうかー。わたし以外の誰かがこのシルクロードに乗ることがあったとして、クラッチスイッチのキャンセルを知らずに不測の事態に遭遇したとしたら、わたしは訴えられることになるんですな。

揉め事は勘弁願いたいものです。理屈は分かっているんだから必要なときにだけ電動オートバイにすればよいわけです。実験実験。あの配線をスイッチから抜いて、ちょちょいとイジればクラッチの状態に関係なくセルは回ることを確認して、この件はもう忘れることにしました。

「というようなことがあったんですよ、師匠先生(仮名)!」
「あのころのホンダのコックは、そんなのが多かったなあ。アッセンブリー交換、修理単価アップってやつだよ。それからマグネットスイッチなんかは分解して接点を磨いたら直せないものではないからやってみなさい。そんなことより・・・・・」

昔のメグロ(現行のメグロなんてのがあるんだったら見てみたいものですが)のセルには、スタータースイッチがオンになった瞬間にソレノイドが動作してデコンプを動かす機構のものがあったと師匠先生は仰います。

「アイリー君のスーパーシルクロード(ママ)にもセルを回すとデコンプが動作するようにしてみては如何かな」

うーん。材料は在庫があるんですよね。要はソレノイドでデコンプレバーを一時的に引く動作ができればよいだけのことなのですから。

「どうしてもやっておきたいことを思いついてしまったので、先にそっちに手をつけます。デコンプは手動のみで十分です(きっぱり)」 確かにデコンプがあれば楽ですよね。冷間時にチョーク引いてデコンプ引いてラッタッタ、ラッタッタと数回キックペダルを踏んで燃焼室のガソリンをうんと濃くしたり上死点を見つけたりしてからデコンプを戻してキックを踏むなら、まず一発で始動してくれるんですからね。あれば楽ですよね。

というわけでわたくしアイリーは、ホンダ・シルクロード改を日常の下駄にしながら、残り少ない今生での、数多い残課題について取り組むのであります。

短距離ライダーの憂鬱・失笑編。今日も口数が多い 終了

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