うちのシルクロードは、毎日乗っているそのわりに、チェックも手入れもほとんどされていないという、かわいそうなオートバイだが、ふと考えてみたら、これも中途半端ながらもいわゆる「古いオートバイ」というジャンルに属するようになったんだよなあということに気付く。推定で1982年式。わたしたち夫婦が結婚する1年前に、妻用として買ったオートバイだった。そのときには、既に2万kmを走った中古車にしては、ずいぶんキレイだったという印象がある。
娘が産まれた年の初夏に、わたしはW1S-Aで、妻はシルクに乗って神戸に行った。娘をわたしの母に預けての、ちょっとした気晴らしツーリングだった。その帰り道には、時間の都合で高速道路を使ったが、そのとき妻はシルクの非力さに疲れたと言った。
シルクロードで高速道路を走ろうとすると、どうしても約 7,000rpmでの巡航が要求されてしまうが、「エンジンの悲鳴のわりには、思ったようには走らない」ということが、妻にはしんどかったらしいし、実際20馬力をフルに活用した走りかたを、妻に強いることは酷いことかも知れないと思った。でも、めったに乗る機会がないのだから、せめてその時は楽しい気持ちでいて欲しいものだよなあ、とも思ったものだ。そういった背景もあって妻にとってはパワフルなW650をわたしたちは手に入れた。そしてその日から、シルクロードはわたしの通勤専用バイクになっていった。
ある日のことだった。スポークの何本かにサビを見つけた。そしてそれが簡単に落とせるタイプのものでないのがわかったとき、急に愛情が冷めていくのを感じた。その原因は、わたしの管理が悪いせいだった。しかしわたしにとっては、お気に入りの通勤快速号なのだから、可能なかぎりキレイな状態で乗っていたいと強く思う。とは言うものの、足として利用しながら、適当な部品交換をして車両を維持するというのは、簡単なようで難しいことだ。例えば、シートを張り替えに出したとして、修理から戻って来るまでの間はスタンディング乗車で出勤するのか? スポークを張り替えたいと考えたとして、仮にスポークの調達がすぐにできたところで、交換作業は数日必要だろう。自分の気持ちに抗うことも含めて、いろいろ厄介である。
さて、このシルクロード。そのエンジン形式は、XL250S / CB250RS CB250RS-Zと基本型が同じモノだ。250cc単気筒4バルブ&二本出しエキパイ・・・・と、当時なかなかエポック・メイキングなエンジンながらも、その裏には二大疾病が潜在していることでも有名だろう。
まずひとつめは、あのエンジン特有の 「2万kmでヘッドからオイルが吹く」病で、うちのシルクロードは、すでにその病気に罹っている。ブリーザ圧の不具合なのか、それともOリング(ロッカーアームシャフト部)の経年変化のせいなのか、とにかくロッカーケースとシリンダヘッド、そしてシャフト部からオイル滲みが見られる。考えたくないことだが、この頃の設計品質・製品妥協点を疑いたくもなる。
もう一つの病気は、「飛込み噛み合い」式セルモーターギアの欠損問題。(キック始動のみの XL250S / CB250RS には、当然見られない現象)うちのシルクにおいて、はっきりとした発病の兆候は、まだ見られないが、かねてからセルが滑っているような気がしていないこともないので、CB250RSの腰下を探してきてキックでも始動できるようにしてやりたい、そんなことを思い続けて、はや3年が経った。
そろそろ、気合をいれて メンテナンスしてやりたい。いったいどうしたらいい?