
完全フリーランス指向のわたしです。それは単に無職生活をだらだらと送っている、とも言い換えることができます。
のんびりしております。
ぼんやりしております。
卑怯な毎日です。
でも、ちゃんと税金払ってます。
パソコンを触る気分にもならず、かと言ってオートバイ三昧にも気分的にノってきません。せいぜい、今残っている普通預金の残高で、あと何日間を生きながらえることができるか、という程度のことしか考えていないわたしであります。
まあしかし、アタマもカラダも使わなければ鈍ってしまうものですね。何と申しましょうか、期限厳守とか一定品質基準クリアといったシバリがない生活ってのも、ハリが無いものですね・・・・・・・。
まあしばらくのんびり
のんびり
ぼんやり のんびり・・・・・
そうした心づもりで日々を過ごしていたわけなのですが、とある朝に勃発した怪事件のおかげで、ついに叩き起こされてしまいましたワ
題して「太平の眠りを覚ます側車船 たった4回で夜も眠れず」事件です。
言い回しがくどいので、シンプルに「ソロバケツ事件」と略すことにしましょうか。
週末の朝には、まるでわたしが布団から這い出てすぐ、新聞を取りに行く前にパソコンを起動する習慣を知っているかのように、ちょうどそのタイミングで携帯電話の着信音が鳴ることが、よくあります。
やはり今朝もそうでした。
今 キミん宅の前に来ているよ〜、といったまるで中高校生がするような内容の無邪気な電話した。その主は、いわずと知れたケインさん。いつもなら、わが家近くまではメいっぱい加速しておいて、近づいてきたらW1Eを止めて慣性で200メートルくらい走っている様子が、まるで手に取るかのようにわたしの妖怪W1Eアンテナは反応するのですが、今日のアンテナは、いつものようにビビビビってな具合には反応してくれていませんでした。
むう。ぼんやり生活のせいで、わたしの妖力が鈍ったか??
訝しがりながらカーテンの隙間から外を覗くと、シルヴァーのワゴンの姿がそこに・・・・
「アイリー君。すまぬが君のところにあるはずの余剰部品を、わたしに貸してくれたまえ。」
朝っぱらから何を言い出すのかと思えば、そんなことでしたか・・・・。
わたしは、伏し目がちに少し考え、そしてケインさんに返事をしました。
「貸し出しってのは勘弁してください。」
それから少し考えて、少し語気を荒げました。
「貸しません。それならいっそのこと買ってください。ボクはお金に困っているんです。」
「そこをなんとか」
「だめです!」
しばしの押し問答があったのですが、その末ついにお互いが折りあう線が見えてきました。
本当にフロントフォークだけですね。わかりましたよ。じゃあ650ccですから、650万円でどうでしょう。
えっ? これだけ譲歩しているのに、まだ高いって??
わかりましたよ。マケればいいんでしょう。じゃあ正確さをだすことにして624万円!
なんですか?端数を切れって!!
もういいですよ。わかりました。620万円でお譲りしましょう。
ただしそれなら条件があります。
ご存知のとおりですが、これのインナーチューブには問題点があります。部品をこのままの状態でお渡しして、コレが最高ですとは、わたくし人道的見地に立ってはとても申し上げられません。つきましては、車体に組み付けたあとで、その状態をわたしがチェックさせてもらいます。よろしいですね。
ネタにはしていなかったのですが、このフォークはかつて一度分解しました。錆び部分をオイルストーンで研磨したので、状態はわずか少しながら改善されてあって、フォークオイルがオイルシールから僅かに滲むことがあるという程度にまでは、いちおう修理が済んでいました。
620万の商談を終えたケインさんはその翌日、ミラノことわが家の物干場に現れました。
この朝は、わたしの妖怪アンテナはきっちりビビビと3本立っていましたが、カーテンごしに姿を見ようとすると、いつもの銀色の船は視界に入ってきませんでした。どうやらケイン号からは、側車が既に取り外されているみたいです。 なんとか撃墜されることもなく、自走でお出でくださった模様でした。
さながら、
10分待っててね。もうひとりぶんの座席を造るから♪
5分でやりな!
っていう映画を思い出しました・・・・・
ニカッと笑いながら、うちの物干場でスッパナを握って意気盛んなケインさんを制止しながら、わたしは機体のチェックを始めることにしました。他人のオートバイをあれこれ指南指摘するのは、わたしの主義指向に反する行動なのですが、ミラノな物干し場に入ってきた車体である以上、もはや躊躇しません。
ん?
あきらかに違和感を覚える箇所がありました。
フロントブレーキのキャリパとオイルラインを結ぶパイプの形状が、どう見たってノーマルのW3とは違っています。たしかにモノ自体はノーマル品なのですが、明らかに追加工してあるようです。取り回しの都合でグニャリと曲げてありました。そのまま使うことは不可能みたいです。
「よう ロッソ〜!派手にやっちまってやがんなあ。これじゃあ620万ぽっちだと、予算オーバーだぜぇ。」
「ここにふたりのための、ノーマルキャリパセットが、ある。そしてヤろうよ・・・・・・・」
ちっ!
追加代金として呈示された150万をしぶしぶ納得したポルコさんは、表情を強張らせながらも、ケイン号W3から特製アールズ・フォークを取り外す作業を開始しました。
「あっ メインスタンドが無いから自立できないよ〜。」
悲痛な叫びが、わたしの耳に届きました。
「マケとくよ、ポルコ。これも使いなっ!」
わたしは、エルシノ庵に累々とする屍、またの名を「絶対に来ない」筈の何かの時のために用意している部品、を取り出してきました。妻いわく、ただの不良在庫ってやつです。
そしてケイン号は、どんどんと20数年前に工場から出荷されたときのカタチに戻っていこうとしています。何年ぶりなのかオーナーでさえ知らないことでしょうけど、メインスタンドが久しぶりに取り付けられたケイン号のダブルクレードルフレームにはジャッキが2個あてがわれて、ついに前輪は浮いていきました。
「ありゃ?こりゃあどうやって外すんなら?(注:あれ?これはどんな方法で外すのですか?)」
前輪を外そうとしたケインさんの発言を、アタマの中で翻訳しながらその部位をちらりと見たとき、わたしは戦慄しました。
「うおぉ〜。フロントのアクセルシャフトも追加工されていて、ぜんぜんノーマルじゃないよ〜。」
悩んだときはとりあえずハンマーで叩くを信条としているケインさんは、そんなわたしをよそにガツンとやろうとしていました。それを羽交い絞めにして静止したわたしは、ハラをくくりましたね。
「よう ポルコ〜。こりゃ高くツクぜぇ。これの余分は、俺ァ持ってないからねぇ〜。ここまで構造を変えられてちゃあ、お手上げだよ。」
途方に暮れるケインさんの背中を見ながら吐き捨てるように言ったわたしは、あるプランを思い立ちました。将来的にコレが成立するならば、うちには余分の在庫が在ることになるという、かなり危険なプランでしたが一旦お話をお受けした以上、中途で投げ出すわけにもいきません。厳しいながらそれを実行することにしましょう。
それは、わたしのW3改(ヘン)の前輪について、陸運局のほうで認可されるならば、使う予定のない前輪(タイヤ付)が一組できあがるというプランでした。
じゃあ、さっきの150万に上乗せだ! もう全部で250万でイイわ。なんだか気の毒になってきたからさぁ〜。
ともかくアールズ・フォークが通常通りにセットされた状態では、どう考えてもタイヤ交換さえできない構造になってしまっているW3でした。わたしは上下をボルト止めしてあるサスペンションを取り外すのをお手伝いしました。それから、フォークの支点となるボルトを抜くのも、お一人の作業では危険が伴いそうなので、微力ながら介添えさせてもらいました。
やがてその後、アールズフォークの腰下部分と前輪は、ついにケイン号から切り離されました。どうやらこの状態になってはじめて前輪がスイングアームから取り外すことが可能になる構造のようです。
今度はフロントフォークを取り外してしまおうとした段で、また新たな違和感を覚えました。アールズフォークですから、三つ又の下でがっちりと連結されてあります。ボルトを緩めてからグニグニと捻って外してしまうことができません。
トップブリッジに覗いている終端を、ケインさんは当て棒をあてがってハンマーで叩きぬこうとしていました。
ガツン
どうやら砲弾メーターのリムをどついてしまったご様子でした。とほほ声が聞こえてきました。
アールズフォークとは、元々こういう設計なのか、それとも経年変化や過去に強い衝撃が加わったことで変形しかけているのか、それとも不良品なのか、そのどれに相当するのかケインさんにもわたしにも理解できないことがありました。屹立する2本の銀色パイプですが、どうやら上に行くに従って、その間隔が平行に保たれていなくて、はっきりと狭まっているんだということが、ふたりがかりの力ずくで叩き抜いた作業の後に、発覚しました。
ついさっきまではわたしの所有物だった、少しだけ外観に難があるフロントフォークを、ケインさんはニコニコと取り付けはじめました。それから、やはりさっきまでわたしのものだったブレーキキャリパを、オイルラインに連結なさっていました。
ちょうど前輪まわりが組みあがって、ブレーキフルードのエア抜きをやろうとしていたところでした。
午前9時になったころだったと記憶していますが、バージルさんがケインさんの身柄を確保するために、わが家に登場なさいました。
「アイリー君 あばよ。」
つまりあとはヨロシクねっていうことみたいです。ケインさんは午前10時には絶対にご自身のお店を開店なさらないといけないそうです。
帰ろうとするケインさんに、わたしは部品代金ということで、620万に250万を合わせた870万円を、請求しました。
「はい はっぴゃくななじゅうまんえん。」
わたしの右の手のひらに、ずっしりとした重さを感じさせるものが乗せられました。そして百円玉8個と十円玉7個を、わたしは受け取りました。大阪以西の駄菓子屋さんとかお総菜屋さんでのお金のやり取りみたいですね。
Webオークションで、取引価格の5%だったかの金額を、胴元に手数料としてカスめられることが決まったとたん、入札価格の単位について「一円=壱万円換算ということで取引します」って物件を見ることが多くなりました。いろんなことを考える人がいらっしゃるもんだと感心してしまいましたが、小学館の学習雑誌のフロクに付いていた「光の国なんでも百科事典(仮称)」に掲載されていたネタ =光の国の通貨単位は ナンチャラで・・・・1ナンチャラは500万円に相当する= みたいなことが、記憶の底から蘇ってきました。
そういえば、中学校で負の数の概念を授業で習った直後の休み時間には
「君に、マイナス100円をプレゼントしよう!!」
「サンキュー」
「ほな、さっさとワシに100円よこせ〜!」
ってことも、同時に連想しましたし、高校生の頃の物理の授業の後には
「君に、1ピコ円をプレゼントしよう!!」
「ほんなら、そのピコ円玉とやらを見せてもらおうじゃないか〜」
などという、小ネタを連発していたことを、思い出させてくれました。
ついでに書きましょう。
近所に住む同級生、Z1とドカ900SSオーナーであるしんえもんさんの持ちネタです。 中学1年の化学の時間だったそうですが、
教諭:「臭いというものは、その物体の分子が蒸発などを経て拡散した結果、鼻腔内に届くから感じるのである」
しん:「どっしぇ〜! ってことはウ○コが鼻の穴に入っているってことですかー!」
ああ。昔はいろんなことがあったなあ。
さあ、はじめるぜ。
あとは出血大サービスで、9アンペアのバッテリをケイン号に取り付けて、ちょちょいとチェックしたら終わりの筈でした。でしたが、後輪のスポークが2本折れているわ、ヘッドライトは暗いわという、このままでは絶対に車検にパスするわけがない状態をいまだに保っていました。
スポークは、錆びた純正中古部品からプレゼントすることにしました。ヘッドライトは、仮にわたしのW3から取り外して取り付けてみました。
ヘッドライトの光軸チェックは暗くなってからすることにしまして、まっすぐ走るか、ブレーキは動作するかどうかチェックするべく、ウチから2キロほどの場所にあるホームセンターまで出かけてみることにしました。
走り始めてすぐに、カービュレターのバランス、それにバルブのクリアランスについてちょっと違和感を感じましたが、このあたりの調整についてはケインさんに楽しんでいただくのが筋でしょうし、もしかすると好みの問題かもしれませんから、わたしは気にしないことにしました。ただホームセンターからの復路で思い出したのが、そういえばこの車両には任意保険が掛けられていないよなってことでした。
わたしは恐々としながら、試運転を終え、そのままTB2に積み込んでしまいましたとさ。
さてその翌日ですが、わたしはその日の午前中に勝ち抜きエレキ合戦のオーディションに参加することになっていました。オーディション会場は県庁所在地でしたから、その足でケインさんのところに納車するつもりでいました。
「の〜うひ〜ん」 (例によって、恐怖新聞のポルターガイストの声で読んでください)
所用を済ませてからケインさんの工房に顔を出しましたところ
「アイリー君、それではこのままご同行ねがいたし!!」
そう言うと、ケインさんはTB2のナビシートのベルトをカチャリとロックしました。
陸運局に提出する書類は、すでに午前中のうちにケインさんが準備されてあったようです。あとは検査ラインに突入するだけですし、まあヘッドライトの光軸には多少問題あるかも知れないけど、こんなもんすぐに終わるよな、そう思ったわたしは、同行の依頼を無碍に断ることはしませんでした。なにせ暇ですから。
ケインさんのオフィスから3マイル離れた場所にある陸運局まで、わたしはステアリングウィールを握っていました。TB2をパーキングの白い枠線に入れ、W3A/SCのサイドカー抜きのケイン号を「牛肉抜きビーフカレーみたいですね」とヒトリでボケながら地面に下ろしました。
いよいよアタック開始となった模様です。わたしは見学者のふりをして、そっとケインさんとソロバケツ号を星明子になったつもりで、見守っていました。
おおっ ブレーキとか刻印の同一チェックが終わったところで、いきなり何かモメています。何度も何度もウインカを右に左にと繰り返して操作するように指示されているようです。
やがて、何かを検査票に書き込まれてしまった様子です。きっと何かがNGなのでしょう。
そして次に、いきなり最終回みたいな「ヘッドライトチェック」の検査区域に移動していました。例のオレンジの失礼な箱がユラユラと動いたあとで
「×」
「上向き過ぎ 1万カンデラしか出ていない」
検査官の声が、わたしの耳にも聞こえてきました。
あれれ。そんな筈は無い。向きはなんとでも調整できるからまあ良いとして、光量が不足している訳が無いよなあ・・・・ そんなことを考えていたら、ケインさんがTB2を止めてある場所に戻ってきました。
「ライトとウインカが暗いって言われたよ〜。」
ケインさんとわたしは、まずウインカの球をチェックするためにレンズを取り外しました。
すると20Wのコーナーランプが、そこにセットされてあることに気付きました。
ここってたしか23Wの電球だったはずですけど、過去にこれを交換したことはないよ、とケインさんは言いました。どうやら、買ったときからこの球だったんですね・・・・・とほほほほ
ケインさんには、近くのオートバックスに行って23Wの電球を調達してもらうことにしました。その帰りを待つ間に、わたしはかつて自分のW3に施したのと同じ手順で、配線の組み合わせを替えて光量を稼ぐワザを実行してみることにしました。
やがて戻ってきたケインさんとわたしとで、ウインカレンズをきれいに磨きあげ、そして前方に使われていたレンズは後ろに、リア側のものはフロントにと、レンズのローテーションを行ってみました。それほど明るくなっているとは感じませんでしたが、ノーマルと同じ規格の部品を使っているということにこそ意義があります。
時間はどんどん過ぎていきました。
再びラインに入るのを見守ったわたしは、どうやらウインカの問題についてはとりあえず解消されていることを見受けました。検査官さんが、検査票に何か書き込んで印鑑を押していました。
さあそうなりますと、オレンジの箱との戦いです。
が、しか〜し。今度は「光量測定不能」という声が聞こえてきました。
やれやれ。
ふたりはもう一度、配線の組み合わせを変えました。そしてケインさんは果敢にアタックしました。
ですが、また玉砕なさってました・・・・・・
えーい。こうなったらバッテリとライトを直結したれ〜という、とっても危険な賭けにでました。
そこそこ明るくなったような気がしましたので、とっととエンジンを始動してラインに突入して行く姿を見送るつもりでした・・・・・・・
がですね、エンジンかかりません。なんべん蹴ってもかかりません。わたしが蹴っても始動しません。
どうやら、バッテリが弱りきってしまった様子でした。
そのときチャイムが鳴り、検査ラインの入り口シャッターは、無常にも締まっていったのでした・・・・・・・ 午後の検査は4時までだったのです。
わたしは、遅くとも午後5時には、娘を保育園に迎えに行かないとならない身の上です。そろばけつのケイン号は自走不能です。急いでそろばけつ号をTB2に載せ、撤収と相成りました。
娘には、ずーっとテレビ観てていいからね、6時になってもサンテレビの野球中継じゃなくて好きな番組を見てていいからね、と伝えておきました。そしてわたしは庭先でソロバケツ号をTB2から下ろしまして、なにか対策はないものか、とひとり案じていました。
まずはW1S-Aから借りてきた7Aのバッテリを取り付けてみました。キックしますと、当然のように一発で始動しています。ヘッドライトの具合を診るため、隣に住む町内会長さんのお宅との境界線にもあたるブロック塀に投影してみることにしました。
試してみますと、まあ確かに暗いと言われてもしょうがないのかなあ、という照度で壁を照らしていました。ですが、わたしのW3A改(ヘン)よりもはるかに暗いような気がしました。ということはこの現象の原因は「ハーネスが腐っている」ということ以外には考えられません。
ええい。ヘッドライトの配線をバッテリ直結でキッチリ引きなおしてやろうじゃないか。そしてオン-ポジション-オフのスイッチが効くようにしておいてやろうじゃないか。
いい加減面倒くさくなってきたこともあって、わたしはオーナーの手を使わずに、わたしの手でこのW3を道路交通法に適合した車両にしてしまおうと決意しました。自分のものではないシートとタンクをフレームから外すことにはちょっと抵抗がありますが、しかたありません。下手にタンクをはずそうとしてクラックが入る原因になってしまったら、とんでもないことになってしまいます。
とりあえずケインさんに電話して、そうする旨をお伝えしました。
「ああ そこのネジってキャップボルトに変更しているからね〜」
このときわたしの恐怖は、ピークに達しかけましたね。
「あ〜 めんどくさ〜」
取り外した部品は丁寧にTB2の荷室に安置させまして、まずはメインハーネスとオン-ポジション-オフスイッチを結ぶ4ピンのカプラーに目をやりました。
あれれれ。これだけが原因かどうかわかりませんが、メインハーネス側でブルー線の被覆がわずかに剥がれていまして、銅線が剥き出しになっていましたよ〜。
ギボシで端子を作って、まずはその患部の手当てをしました。もしかしたらこれだけで大きく改善がみられるかも知れないという期待から、メインスイッチをオンにしてエンジンを始動してみました。
そしてわたしはヘッドライトスイッチをオンにしました。たいして明るくありません。
ふう、原因はココではなかったようでした。
このときに、もしかしてロービームとハイビームの配線をわたしが間違えているのではないかと思いまして、ディマースイッチを操作してみましたが、やっぱし間違ってはいないようです。
やっぱしライトハーネスを引き直さねばならんかと途方に暮れていたとき、偶然、わたしの左手がパッシングボタンに触れました。
あれ・・・このオートバイって ロービームとハイビームとスーパーハイがあるみたいだぞ・・・・って、シルクロードのミッションかいなぁ〜 ・・・・・とほほほほ いやしかし、勉強になるなあ。座学ではこんなことは絶対に理解できないだろうなあ
面倒だからコレで行ってみよう〜。
さらに翌朝。
しかも、ど早朝。
わたしはTB2でソロバケツ号をドナドナしながら、ケインガレージに到着しました。 なんせ暇ですから。
「おっさんおっさん。W1クレージーズさんがリプロなさっているハーネスと交換したら、電装に関するすべての問題がたちどころに直りそうですけど、いかが〜?」
「そんな予算は無い!(きっぱり)」
ともかく、今日のところはパッシングボタンをオレンジの箱の前で押しっぱなしにしてくだされ、それでダメだったらライト配線を運局の駐車場で引きなおしてしまいましょう、とケインさんに告げるだけにとどめまして、陸運局へ向けて出発〜。
到着してすぐに、TB2のカーゴ・ルームからソロバケツ号をひきずり下ろしました。
そしてわたしはケインさんをラインへと送り出しました・・・・・
残念なことに、それでもNGでした。
やはり配線をこの場で新造するしかないのでしょうか。
そしてリレーなんぞを全く何もカマさないで、ライトとバッテリを連結するほか、打つ手は無いのでしょうか。
ああ。検査ラインの上で、爆発炎上するW3なんぞ、わたしは見たくありませんよ・・・・・。
さて、なぜかウチにはRZ250あるいはSRXのものとおぼしきH4ハロゲンのレンズ+バルブ+ハーネスが転がっていました。万一の用心ということで、今日はそれを持参しておりました。
本日の対策その1:ヘッドライトまわりの部品を全部交換〜
バルブは、わたしのスペアパーツとして在庫してあった新品のボッシュを組み込みました。さあ取り付けです・・・・・・。
取り付けをしたいのです。そうしたい気持ちはヤマヤマなのですが・・・・。リムとボディのはめ合わせの形状がちょっと異なっているようで、きっちりハマってくれません。
ええい!!
ガムテープとビニールテープで、キレイに固定してみましょう、って作戦を敢行することにしました。
もちろん検査官さんに怒られるのは、覚悟の上でした。
もしかして検査ライン上で、ケインさんは逮捕されるのではなかろうかと思っていましたが、もしかするとレンズカットの具合がよろしかったのかも知れません、おそるおそるラインに入ってパッシングランプを押し続けたソロバケツ号は、ここで合格と相成った模様でございます〜。
それからしばらくして、新しい継続検査証とステッカーが交付されました。
「ああ 難儀しましたわね〜。」
「とにかく合格じゃい!」
などと豪語するわれわれでしたが、タカをくくってはいけないということで、その後ケインガレージで缶コーヒーを片手に、反省会を開催しました。
アイリ〜 : 後整備ってゆうか、宿題をいっぱい残しちゃいましたね〜。
ケイン〜 : これが最高です!!
どんな車体であろうが、なんとか車検をパスさせてしまうという民間車検場スタッフの皆さんのものすごい腕前と、そしてそれを奮ってもらうために、やっぱしそれなりの金額を支払わないといけない理由ってのが、すこしだけわかってきた気がしたわたしたちでした。
また、わたしにあっては、自分のモノではないオートバイの整備をお手伝いするという行為が、ある意味でかなりキツイものだということが、よくわかりました。
限られた予算のなかでは、モノとか技術をありったけ注ぎ込むというような施策を打つことができないのは確かですもんね。カネと時間が死ぬほどあるなら、わしでもインドで考えることが、きっとでけますもんね。
それから、あれほど普段見慣れている650RSですが、その緒元変更箇所と、それにともなう要整備箇所を一発で全部見抜けなかったのは、迂闊というか情けないことだなあと思いましたね。見積もりが一発で出せないなんていうことは、お客さんに迷惑をかけるか自分が被って損するか、ってことに直結しますもんね。
これは普段から旧車会に足繁く顔を出して、「おや?この部品はノーマルとは違うねぇ」なんて感じで、見ず知らずのオーナーさんに喧嘩を売りながら、素養を養うしか道はありませんよね。
やっぱりおいらにはそんなことできないよ〜。バイク屋さんにはなれないよ〜。
最近ではあまりお邪魔していませんが、以前からずっとお世話になっているバイク屋の大将は、いつもそう言っていました。
あの大将の偉大さが、ようやくわかりかけてきたわたしでした。
そして、無職アイリーの適職探しの旅は、まだまだ続くのであります・・・・・