=プラナリア=

Jan 25, 2007

なんでも、プラナリアという小動物がこの世に存在しているらしい。そのプラナリアを説明した文章と図が、1980年頃の理科の教科書に載っていたのは間違いない。でも、それが高校生向けだったか中学生向けだったのかについては、その記憶が定かではないが、なんでも、胴体を真っ二つに切断したら、頭側には尻尾が、尻尾がわにはアタマが再生される動物なのだと書いてあった。

もしもこの生物が食用にできるなら、将来襲ってくると言われる食糧危機から逃れることができるかもしれない、そんなことをわりと真剣に考えていたのが、わたしの受験生時代だった。

しかし受験生時代が終わると、デューク東郷が自身の目で確認したものしか信じないのと同様、本で読んだだけの知識など、いつまでも信用した状態のままで保持できるわけもない。


オートバイのレストレーションに関係あることも案外多いから、ホームセンターに出かける機会は多いほうだ。直接用事のある工具やらネジを扱うコーナーではない、いろいろな売り場をうろうろするのも、また楽しい。

昨シーズンの肌寒いある日、園芸コーナーを覗いた。すると、鮮度落ち、というラベルが貼られてあってディスカウント販売されてあるビオラの苗を見つけた。198円にバツをつけて30円。あ、このビオラってのは三色スミレの小さいやつだ。はてどんなものかと気持ちが揺らいだのが運の尽き、一鉢買ってみて鉢に植えることにしたが、クキが何本もひょろひょろ伸びていて、タグにプリントしてあるカラフルな花色のつぼみなど、ひとつもない。

はてどうしよう。ついでの便で立ち寄った図書館で「ビオラ・パンジーの育て方」なる本を何冊か借りて読んでみることにしよう。あ、パンジーってのは三色スミレの大きいほうのやつだ。北原佐和子のいたアレだ。

書籍による綿密な調査の結果、ひょろひょろの姿は、徒長、という現象らしい。徒長したビオラは、適当なところでばっさり切り落としておけ、運が良ければ脇に芽が伸びて、やがてつぼみができるからね、みたいな情報を得た。

そうか。そうしたら良いのか。

結果、冬を越した30円の苗は、春先見事に咲き誇った。うまくいった。再生成功ってところだ。にやり。どんなもんだい。

なんでも妻に言わせれば、ビオラやらパンジーは、せいぜい50円ぐらいのもので、198円なんてのは何か特別な高級品種なのだそうである。タグが苗ポットに差し込まれてあることからも、そのことがわかると言う。ま、それはともかくウマイこといった。よかったよかった。来年からこの手で行こう。


自分のサイトの更新にすっかり飽きていて、世の中おおぜいのナレッジを拝見するほうがむしろ楽しい時期があった。わたしは暇があればMacにがっぷり四つという日々を送っていた。

面白いサイトはどこまでもおもしろく、くだらないところは相変わらずだし、読みにくいところに読めないところもまた同様、これがウエブの世界よのうと思っていたところだった。

「がびーん。どびーん。はげちゃびーん。」

ビオラやらパンジーの徒長した茎は、挿し芽にすることができます。

うわ。たいへんなことをコラムにしてあるサイトに出会ってしまった。もし本当に、そんなことができるのだとしたら・・・・・・

去年の冬にばっさり切って捨てた茎を返せ〜!

今まで、こんな世界を知らなかった、自分の不幸を呪います! 常に、自分は悪くない。わたしは、常に可哀相な被害者なのです。(このパラグラフはギャグのつもりです)

あのとき図書館で手に取った本のうち、カラーページが多くて、掲載されていた花色がいちばん多いから、きっと内容が最も詳しいのだ、と決めつけて読んだ育て方の本には、挿し芽のことなんてどこにも書いてなかったぞ。わたしは地団駄を踏んだ。後日もう一度その本を見たら、協賛に種苗メーカーがクレジットされてあった。なるほど道理で、ね。

でもその本に書いてあったことで、役に立ちそうな情報もあった。ビオラってのは、冬を越えてから春に咲き誇る。秋のうちに花が咲くようにするため、生産者たちはニッポンが夏の時期に、冷蔵庫に苗を入れて、わざと冬を感じさせておくのだと言う。だから出荷した後、苗は今が春だと勘違いして、たくさんの花が咲く、という手筈になっているそうだ。だからあまり早い時期に店頭に並ぶものは、春なのか秋なのか自身の置き所を見失って、ひょろひょろと徒長するものが多いのだ、と書いてある。むむっ。その情報を逆手に取れば、一番早く店頭に並んだ苗をわざと徒長させておいて、適当な長さに寸断する。それを挿せば新しい苗を得ることができる、ということになる。そして元々の苗はオリジナルとして、昨年と同様に咲き誇らせることができるはずだ。

このとき、プラナリアという文言が、遠く深い記憶の淵から這い上がってきていた。

9月も後半になったころのわたしは、頻繁にホームセンターの園芸コーナーをのぞくようになっていた。去年までとは違って、ビオラの花色と株のサイズ、それから成長の性質などで決まっている販売価格の関係は、ばっちり把握している。もちろん本で得た知識だけど。

特売で30円になるのがどれか、絶対値引きしてくれない300円のやつがどれなのか、わたしはすでに知っている。おやおや、どういうわけだか去年は198円だった商品群が、今年は販売条件が変わったのか、98円で売っているのを見つけた。よし決めた。今年はこれでいこう、と4種類を2鉢ずつ手に取った。

プラナリア作戦、別名マモーのクローン大計画が、いよいよ実行に移されるときがやってきた。挿し芽苗を、いっぱい作るのだ。

よく成長して、徒長寸前かと思われる茎を適当に選んで、カッターナイフで切断する。切った茎を、だいたい2cmの長さに刻んで、薄く土を敷き詰めた箱に突き刺していく作業をひたすら繰り返した。。

さあ、はたしてうまくいってくれますかどうか。実に楽しみである。

石屋が仁王様を彫ったが動かすことができません。

ある日、偉い和尚さんが来て、お経を唱えると、石屋の心が伝わったのか、仁王様は動いたそうな。


丸亀四宮石材

続く

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