
読み捨てられる雑誌のように
わたしのページがめくれるたびにセンチメンタル・ジャーニー/松本伊代
漢字ビールとは何だ?と訝しがられるかたもいらっしゃるだろう。それは我が家での符丁である。ビール以外のビール、つまり発泡酒とか第三・第四のビールのことを指す。
妻と買い物に出たときの会話で
「あ、ビールの買い置きが少なくなってるから、買っとかなくっちゃ♪」
「どうしてキミは、そんなところで小さな見栄を張るのだ。漢字ビールと言いたまえ」
こんな具合に使う。ごく稀に妻の購買意欲が本当のビールに向かっていることもあるので、一概に断言できないし油断もならないが。、
じゃあ、その第三・第四のビールって何だろう。
いつかこんな駄文を書くこともあるんじゃないかなと思って、なんとなくスクラップしていた2007年4月頃の毎日新聞の経済面の記事がある。この記事を読んだら定義は明確になる。その要旨を抜粋してみよう。
「麦芽を使用した第四のビール」に関する話題
通常、第三のビールは、エンドウ豆やら大豆を使って麦芽は使用しないで、発泡酒並みの麦芽を使用。第四のビールは、発泡酒に蒸留酒を加えることにより、酒税法ではリキュールに分類されて第三のビール扱いとなるため、発泡酒より低い税率が適用されることになる。
酒税法では、麦芽の使用比率に応じて税率が高くなる仕組みで、350mlあたり、ビール77円、発泡酒46円、第三のビール28円。(アイリー註:当時の記事のママ)
なんでも、発泡酒に加える蒸留酒の割合に規定が無いそうで、発泡酒の倍近い麦芽を使い、蒸留酒を微量にとどめているとみられている。最もビールに近づける製法でありながら、税率が最も低いことから、市場の拡大が予想されている。
なるほど、分かりやすい説明だ。だけどよく理解できたその一方でつい「それだったら、例の天才バカボンの偽札みたく、めんどくさいから普通のビールをそのまま第四にしてしまってくれないもんかねえ」とか、「ビールに蒸留酒を加えたら、酒税法では何になるのだろう(マトリクスをどんどんややこしくしてどうする)」とか要望やら愚考がわたしの中に浮かぶ。もやもやと。
こうして漢字ビールでシノギを削って、安く提供できるセコいものにばかりに研究開発が進んでいるのかと思いきや、プレミアムビールなるジャンルも確立されているようだ。「水と麦芽とホップと酵母しか使っていませんえっへん」ちゅうて。 ドイツの準ビール法に照らしたら、当然と言えば当然の商品群だけど。
そういや、キリン淡麗(発泡酒)は、またどこか別の国の基準で麦芽の使用比率を見るなら、じゅうぶんビールとして通用できる品質であるってのも聞いたことがある。
今みたいにビールの選択肢が豊富な世の中になるとは、誰が創造しただろう。 きっと福島真吾も驚いていることだろうが、まるで読み捨てられる雑誌のように次から次へと新しい銘柄のビールに発泡酒、第三第四のビールたちが現れては消えていく。21世紀の現在、漢字ビールにだってずいぶん味わいの違いがあって興味深い。淘汰されるだけの理由を考えてみたりするのも面白い。それでも忘れない。わたしは忘れないよ、こんなに素敵な飲み物が存在していたことを。味の記憶は希薄になるけど、缶のデザインだけは憶えておくことができる。できるだけ頑張ってみよう。忘れないために。
もちろん缶をコレクションしようとするわけではない。アルミ鉱脈を作るスペースはわが家に無い。資源としてリサイクルするのだ。ウェブサイトのコラムに写真画像と駄文を添えて記録しておくことにする。つまりエコだ。

ああそうか。エビスビールは昔からあるプレミアムビールなのね。福島真吾は缶エビスを飲んだだろうかね。そんな余計なことに想いを巡らせたりなんかして。
そういや缶エビスっていつから世にあるんだろう??またの機会に調べてみよう。

わたしが選ぶ「2007年プレミアムビール部門優勝」(以降マイフェイバリットと表記)

2007年「ビール部門」マイフェイバリット
この年の「ビール部門」次点は、キリン ザ・ゴールドだった(資料なし)


2007年 そのほかのビール
酔っ払った時の思いつきで、携帯電話のカメラなんかで写真を残しただけなんで、いかんせん資料が少なすぎですね。申し訳ない。

2007年「漢字ビール部門」マイフェイバリット






2008年「ビール部門」マイフェイバリット
バランス最高〜♪
期間限定品だけあってデザインも一新


コンビニ限定販売ビールだそうだ

2008年「漢字ビール部門」マイフェイバリット
アルコール度数でポイントを稼ぐのではなくて、風味で勝負した逸品だと。生産完了が惜しまれる。



これがマズいわけがない。わたしは緑の「ザ・ホップ」が好き。

CFは小泉今日子
スムーズ過ぎてコクがない印象。ちょっと残念

2009年春、リニューアル。
材料変更。従来と別物。値段はビールで中身がプレミアムビール。2009「ビール部門」マイフェイバリットはほぼ決まり!
CFはイチロー。松嶋菜々子。

コンビニ限定販売ビールシリーズ
わたしには苦すぎ。

CFは豊川悦司。
コピーが「発泡酒のナンバーワンを決めようじゃないか」
よっしゃ その挑戦に乗ったろうやないか。ほんまにエエんやな。

「W」の文字に誘惑されてしまった。
大切な成分をカットしてから旨味を増すために混ぜ物をしてあるそうだが、正直こうしたタイプは好みではない。

スティーブ・ウインウッドの声がハモンドに乗ってTVCFで流れた。懐かしさのあまりコンビニへ直行。飲んだ第一印象「ある意味、ハンパなビールより旨いかも」
一躍コレが2009漢字ビール部門の優勝候補に踊り出たのは言うまでも無い。
CFは役所広司(あれこのヒト昔はキリン一番搾りに出てなかったっけ)。
サントリー 金麦(画像なし)
二度目(推定)のマイナーチェンジ後で、ぐっと旨くなったと思う。サントリー ザ・ストレートの登場が悔やまれる。


1996年か97年頃に、サッポロビールから出ていたのが「気分爽快生ビール」。CFで辺見エミリが、白いワンピースを着てゆったりと踊っていた。
わたくしアイリーは、あのビールが大好きだった。当時の環境や飲んだロケーションの良さなんかも背景にあるのかも知れないけど、今でもあの味を求め続けている。もう手に入ることがあり得ないから余計渇望しているのだと半ば諦めながらも、おそらくあれにもっとも近いのが「キリン一番搾りとれたてホップ」なのではと感じている。だから相当のインパクトがあるものが現れない限り、毎年のマイ・ファイバリットは「キリン一番搾りとれたてホップ」ってことになるんだろうな。まるで渋谷陽一の選ぶロック大賞第一位が毎年変わらずLed Zeppelinであるように。
=続く=