
ちょっと想像を絶するような悲しいことがあった。
毎日毎日人生を楽しんでいるおれにとって、ツライことの耐性は鍛えていない。
おれは おれのチカラ不足を感じて自暴自棄になっていたのかもしれない。
「あじゃらかもくれんおっことぬしあなたはほんとに・・・ (以下省略)」
おもむろに、封印を解除して結界に飛び込んでしまった。
そのとき、おれの意識に なにかが入りこんできた。
やがて、そいつはおれの意思を制御しようとした。
しまった。忌神がおれの中に入ってきたのか。
誰かの声が聞こえた。
あんだって? 素人なんだけど、これからどうしてもダブワンに乗りたいー?
止したほうがイイねェ。後悔しますぜダンナ!
悪いねェお若いの!
あっしですかい?あっしゃあね 座頭の市でさぁね・・・
むむ 乙事主のキャラもカブっているのか?さすがだ!ゲストの皆さんの年齢層も考慮に入っているのか・・・
薄れていく意識のなかで、おれは ツッコミをいれた・・・・
「助けて〜!」
おれは朦朧としていた。もはや、ゲストの皆さんを考慮している余裕はなかったのだろう、彼の名を叫んだ・・・・
「助けてくれ〜!開明獣〜!」
開明獣は、「孔子暗黒伝」で紹介されているキャラとはすこし違った。
『人面獣』であることは同じだったが、彼の腕っぷしは 強かった。
あっという間に、乙事座頭市を やっつけてしまった。
おれの意識が回復しはじめた。
おれは、おれの意識層に開明獣がまだ存在しているらしいことにも気付いた。
おれは、そのことを頼もしく思った。
「夢のようだ・・・ 新しい世界が来る・・・・」
わたしの名は開明獣。
知識を開明し、またそれを犯すものを見張る・・・昆侖(敦)の知識の門の守護者。
昆侖敦→こんろんどん→こんろんど→コンロッド ばんざーい ばんざーい ばんざーい
あなたは、元気に走るダブルに乗りたいと思っています。
あなたは、調子をチェックする方法を知りたいと思っています。
あなたは、常識的な人間です。
あなたは、これから知ってしまうこの方法が世間の道理にあっているかどうか、自身で判断します。
あなたは、自己責任で実行に移します。
あなたは、中古車を扱うバイク屋の店頭で、ダブルを見つけます。
あなたは、その車両がピカピカな状態であることに興奮します。
あなたは、所詮は中古車であることに気付きます。
あなたは、冷静な気持ちになります。
あなたは、サイフの中に余分な手持ち金があることを確認します。
あなたは、その店の責任者の人に尋ねます。
あなたは、言います。「タイミングギアケースを外して、中身を見せてください。」
あなたは、言います。「パッキン代と所要工数は弁償します。」
あなたは、勇気があります。
あなたは、「エンジン好調」という甘言を振り切ります。
あなたは、「腰下OH済」という甘い誘惑のPOPを無視します。
あなたは、「保証付」という甘い約束を無視します。
あなたは、失望します。
あなたは、勇気を振り絞った要請に、お店の人が応じてくれない悲しみに失念します。
あなたは、丁寧に店の人に礼を述べます。
あなたは、再び別のチャンスを待つことになります。
あなたは、まだ幸運なのです。
あなたは、歓喜します。
あなたは、勇気ある要請に応じてくれるお店の人に感謝します。
あなたは、ご自身のダブワンライフに光明が照っていることに気付きます。
あなたは、この作業でパッキンが断裂することを知っています。
あなたは、その部品代と工賃が ご自身のリスクであることを知っています。
あなたは、リスクに伴う弁償金額をお店の人に確認します。
あなたは、ダブルをサイドスタンドで立たせている限り、エンジンオイルの一滴も垂らすことなく、ケースを開けることができることを知っています。
あなたは、まるで「ヴェニスの商人」みたいだなぁ と独りツッコミを入れます。
あなたは、許可を貰ったうえで、外れたタイミングギアケースの蓋を、手に取ります。
あなたは、その蓋を裏返します。
あなたは、その蓋中央にある「筒状の突起」の内部を注意深く、目視しています。
あなたは、さらに許可を貰ったうえで、その内部を指先で掻き取るように触れます。
あなたは、目であるいは指先で、蓋の裏にある筒内部に段ツキ偏摩滅を発見します。
あなたは、この偏摩耗の意味を知っています。
あなたは、クランクが滑らか正規の位置で回っていないせいで、この痕が付けられることを知っています。
あなたは、眼前の車両にエンジンOH済みと書いたポップを見つけます。
あなたは、一応店の人に確認します。「腰下は これからなんですよね」
あなたは、眼前の車両にエンジン腰下OH済みと書いたポップを見つけます。
あなたは、店の人に もう一度 さらに強い勇気を持って要請をします。
あなたは、言います。「クラッチ側を開いてください」
あなたは、言います。「ロッカーケースを外してください」
あなたは、言います。「シリンダヘッドも外してください」
あなたは、言います。「シリンダも取ってください」
あなたは、言います。「ピストンも取ってください」
あなたは、最後に言います。「一次チェーンも取ってください」
あなたは、すばらしい人です。
あなたは、これからダブルに乗るのにふさわしい人物です。
あなたは、よくぞお気づきになりました。
あなたは、あるいはタイミングギアケースの蓋だけ、別の車体から持ってきた可能性が持つ邪悪な意志さえ、潰そうとしています。
あなたは、この要望に応えてくれたお店に最上級の賛辞の言葉を述べます。
あなたは、このお店と 一生涯のお付き合いをする約束をします。
あなたは、車体左側のクランクシャフトを握って、静かに そしてゆっくりと回転させます。
あなたは、軸がゴソゴソと鈍く引掛かりながら回転していることに気付きます。
あなたは、そろそろ騙されていることに気付きます。
あなたは、先程交わした生涯の約束を、丁重に反古にします。
あなたは、軸が滑らかに動いているのを確認します。
あなたは、コンロッドのスモールエンドのアタマが左右にブレながら運動するのに気付きます。
あなたは、そろそろ騙されていることに気付きます。
あなたは、先程交わした生涯の約束を、丁重に反古にします。
あなたは、ここまでの作業の影響で交換が必要になったパッキンと取り外しのための工賃を、サイフの中の手持ち金から、支払います。
あなたは、ある要素に気付きます。
あなたは、いったん反古にした約束を、繕います。
あなたは、尋ねます。「委託車ですね。」
あなたは、眼前の車両にエンジン腰下OH済と書いたポップをもういちど確認します。
あなたは、言います。「あなたも、騙されたんですよね」
あなたは、店を去る少し前に、言います。「今度 別のタマがあったら また教えてください。」
あなたは、もう悲しんでいません。
あなたは、あなたの期待に応じてくださるショップに巡り合えています。
あなたは、そのことに感謝してください。
あなたは、そのお店では要注意人物として、今後扱われます。
あなたは、もう一回お店の人にお礼を言います。
あなたは、許可を貰います。
あなたは、このダブルのエンジン番号とフレーム番号のメモをします。
あなたは、大手ショップのチェーン店では、在庫品中古車は店間移動して、ショールーム陳列に変化をつけることを知っています。
あなたは、プロ同士のオークションによって、同じ中古車両が日本全国をぐるぐる回っている可能性についても知っています。
あなたは、ある日偶然、同じ番号のダブルを別の店頭で見つけます。
あなたは、前の店の値段と比べて40万以上安い価格であることを知ります。
あなたは、決心します。「部品取りに使おう。」
あなたは、適正な価格を 知っています。
あなたは、10万円も使わずにダブルを手に入れます。
あなたは、この店と一生涯のお付き合いをすることになります。
あなたは、クランクに問題を抱えていない別のダブルを探します。
あなたは、これまでのご自身の啓発で、それを苦もなく見つけます。
あなたは、やがて好調のダブルを作り上げます。
あなたは、余った部品を困っている人に格安で配ります。
あなたは、中古部品の価値を知ったうえで、次の世代に道をつなげます。
あなたは、ある日偶然、同じダブルを 別の店頭で見つけます。
あなたは、前の店の値段と比べて30万程度 高い価格が付いているのを見つけます。
あなたは、値段を見た上で、この店でも前のように要望することを決心します。
あなたは、ご自身の視覚・聴覚・嗅覚・触覚のすべてを使います。
あなたは、あなたの責任で30万の差額内訳を発見します。
あなたは、クランク修理の最低金額をうすうす知っています。
あなたは、その妥当性を やはりあなたの責任で判定します。
素晴らしい!
おめでとうございます。
あなたの明るいダブワンライフは、もう約束されています。
くどいようだが、わたしの名は開明獣。
知識を開明し、またそれを犯すものを見張る・・・昆侖敦の知識の門の守護者。
まだまだ契約書を交わすにあたって、ほかにも一応確認しておきたいところがある。
もしも、あなたがこのW1Eに、フルトランジスタ点火・CDI点火に改造しようと考えていて、かつFCRなどの高性能気化装置を組みこむつもりならば、これに続く知識の門の扉を開ける必要はないのだ。
もはや、それが何のコトか あなたは知っている。
あなたのダブワンライフに栄光あれ
わたしたちのダブワンライフに幸福あれ
さあ いっしょに唄いましょう
♪Greetings!In the name of highest creatuer Jah Rastafari
ラスタマン バイブレーション イェーア ポジティブ
アイ アンド アイ バイブレーション イェーア ポジティブ
アイ アマン アイレイション イェーア アイリィ アイツ・・・・
あれ・・・うちのカミさんだ
「あんたねぇ〜。いくらDeeeepはらだはんが、岡山に来たってんで喜んで呑むのんはエエけど、解散したあとでなにも こんなとこで、暴れなくたっていいんじゃないの〜?」
岡山凸島屋の前で歌うフォークゲリラたちのチューニングの甘さに、めまいを催したトコロまでの記憶はある。
わたしはなにをしていたのだろう。
わたしの前に、誰かに殴られたらしい若者がしりこだまを抜かれている。
わたしの手には、6本の弦がすべて切れた シングルカッタウェイで薄いボディのアコースティックギターがあった。
記憶の深淵なる断片を探った。
あ・・・
キミ 人前で演んのに、弦くらい新品使いなさいよ。あ〜あ そんなスーパーウルトラライトゲージなんて 俺が弾いたら あっという間に切れちゃうよ〜
わたしの心からのアドバイスは、うまく彼に伝えることができなかったようだ。
わたしの右頬に激痛が走った と、そのとき 息巻いていた若者も倒れた。
わたしは、とっさの判断でカウンタを放った拳を開いて、ピックを持った。
1曲やったら返却するよ と 若者の了承を得てから、彼のギターを借りた。
こんなに鳴らない楽器も珍しいよなあ。弦だけのせいではないよなあ。
わたしは、後輩の結婚式の2次会でチャキのドレッドノートにダダリオのヘヴィゲージを張って演奏したときのことを思い出していた。
あのハコには、非常アナウンス用のマイクが一本あったっきりだったなあ
少々フレット音痴でも、やっぱストリートでは、パワーがあるほうがいいなあ。
ここにパブリックアドレスが あるいはせめてツインリヴァーヴと電源があるんやったらこんなギターでもええんやけどねぇ。
案の定、そのギターの弦は 一曲どころか ワンコーラスさえ、もたなかった。
すべての弦がキレた。1番を唄いきれなかったわたしもキレた。チャキだったら、右のひとさし指が血まみれになっても、弦は最後まで鳴り続けた。このギターときたら、血も出ない。
もしかして、妻のお迎えがあと少し遅れていたなら、他の若者に囲まれて刃傷沙汰になっていたかも知れない。
ふと、若きフォークゲリラたちのことを考えた。
歌いたいから歌っているのか
聞いてもらいたいから歌っているのか
騒ぎたいから歌っているのか
伝えたいから歌っているのか
金が欲しいから歌っているのか
仲間が欲しいから歌っているのか
自分をみつめなおしたいから歌っているのか
カラダをはって歌っているのか
夜の雑踏が好きで歌っているのか
居場所が欲しくて歌っているのか
「wwwもストリートも 同じやね。」
帰路の車で、妻にそう言ったら、怒られた。
「電気代が要らないぶん あの子らのほうが よっぽどマシかもね。。。」
ああ 主婦の意見は タイトだなあ〜。
でもね。
たぶん彼らだって、いろいろあると思うんだ。
たとえば、オリジナルの楽曲を作ったけれど、どの曲にも「あなたのやさしさ」「愛」「好き」というセンテンスがとにかく必ず入ってて、それを指摘されてケンカになったりとか。
たとえば、あるプロミュージシャンが本当に好きで、そのヒトのかわりにストリートで代弁していることもあるだろうし、ウケるために「×○゛」とか「○△゛◇」(怖くて書けない)みたいなんを、実はしょ〜がなく演ってることもあるだろうし。
好きなものとか、方向性が、実は同じものなのにむりやり違うものと決めたり、セクトが出来たり無くなったり分裂したり、中傷のアジビラが撒かれたり(古いか)ほーんとにややこしいかもしれないよ〜。
でも、そういった中から、ホンモノが出現するんだよなあ。
豊田さんも友部さんも、はじめはひとりだったし、ストリートだったんだよなあ。
webでも、ホンマモンが 出てきているんやろなあ
俺も せめて誰かを支えることが出来るようにはなりたいなあ
ああ この前、ほんまにエエことをジローさんが言ってたなあ。
本当にそのとおりやわ。
俺は あの言葉こそ 真実と信じるわ。
ひろーいグラウンドでみんなで歌うハナシなんやけどね・・・・
せめて いっぺんでも合唱できたら どんなにエエやろねぇ。
ほんまに「夢のような新しい世界が来る」かもねぇ・・・
「ウチに到着〜」
娘の声で、我に返った。
どうやら夢を見ていたようだ。
妻にそう言ったら、脈絡なく怒られた。
「先月の電話代かかりすぎ〜。テレホタイム以外利用禁止〜。はよ寝なさい!この酔っパライ〜」
せっかく、ここからエエとこに突入すんのになあ。パート2を待ってくれてるゲストさんもいてはるのに〜。
止そう。また夢になるといけねェ。